2025. 05. 04
学術関連
JRC2025で道合講師が演題発表しました。
「フォトンカウンティングCTを用いた膝関節の軟部組織構造の可視化の可能性について」というタイトルで道合講師が演題発表を行いました。
フォトンカウンティングCT(PCD-CT)は、検出器に半導体を用い、X線光子を直接電気信号に変換してカウントする技術です。これにより、従来のエネルギー積分型CT(EID-CT)と比較して、線量効率の向上、空間分解能の改善、電子ノイズの除去といった利点が知られています。
膝関節の軟部組織(半月板や靭帯)の評価は、通常、組織分解能に優れたMRIが用いられますが、本研究ではPCD-CTによる膝関節軟部構造の可視化が可能かどうか、コントラスト評価を行いました。EID-CTおよびPCD-CTを用いて半月板と靭帯の画質を比較し、定性評価(半月板・靭帯)および定量評価(半月板)を実施した結果、いずれの評価においてもPCD-CTが統計学的に有意な画質の向上を示しました。
今回の症例数が少なく、さらなる検討が必要ですが、MRIが撮影困難な症例におけるPCD-CTによる軟部組織評価の有用性が期待されます。
